ゴミ屋敷は、単なる片付けられない性格の問題ではなく、複雑な心理的要因が絡み合って生み出されることがあります。物を捨てられない、溜め込んでしまう背景には、どのような心理が隠されているのでしょうか。そして、その心理を克服し、ゴミ屋敷から脱却するためには、どのようなステップを踏めば良いのでしょうか。ゴミ屋敷を生み出す心理として、まず挙げられるのが「もったいない」という感情です。まだ使えるかもしれない、いつか使うかもしれない、という思いから、物を捨てることができず、溜め込んでしまいます。また、物を捨てることに対する罪悪感や、過去の思い出への執着なども、物を捨てられない原因となります。完璧主義な性格も、ゴミ屋敷を生み出す要因の一つです。完璧に片付けられないなら、いっそ何もしない方が良い、という考えから、片付けに着手できず、状況が悪化してしまいます。ストレスや孤独感、精神的な疾患（うつ病、強迫性障害など）も、ゴミ屋敷を生み出す原因となることがあります。これらの心理的要因を克服するためには、まず、自分の心の状態を理解することが大切です。なぜ物を捨てられないのか、なぜ片付けられないのか、その原因を突き止めることで、解決策を見つけることができます。次に、小さな目標を設定し、少しずつ片付けを始めることが重要です。一度に全てを片付けようとするのではなく、「今日はこの引き出しだけ」「今日はこのゴミ袋1つ分だけ」といったように、無理のない範囲で目標を設定し、達成感を積み重ねていくことが大切です。物を捨てる際には、「1年間使わなかったものは捨てる」「同じものが2つ以上ある場合は1つ捨てる」といったルールを決め、機械的に判断することで、捨てることへの抵抗感を減らすことができます。