「ゴミ屋敷の件で役所に相談したい」と思っても、いざ役所のホームページを見ると、様々な課の名前が並んでおり、どこに電話すればいいのか迷ってしまうかもしれません。ゴミ屋敷問題は複数の部署が関わるため、一概に「この課が担当」とは言えませんが、主に中心となる窓口と、それぞれの役割を理解しておくと、スムーズに相談を進めることができます。まず、多くの自治体でゴミ屋敷問題の主要な窓口となっているのが「環境課」や「生活環境課」といった部署です。これらの部署は、地域の生活環境や公衆衛生を保全する役割を担っており、特に悪臭や害虫の発生によって近隣に被害が及んでいる場合に、中心となって対応します。多くの自治体が制定している「ゴミ屋敷条例」も、主にこの環境系の部署が所管しています。条例に基づき、現地調査を行ったり、所有者に対して改善の指導や勧告を行ったりするのが主な役割です。次に、住人本人の生活状況に問題がある場合に重要な窓口となるのが「福祉課」や「保健福祉課」です。生活保護などの経済的な支援や、障害者手帳の申請、その他様々な福祉サービスへの橋渡しを行います。住人がゴミ屋敷という状況に陥った根本原因が、貧困や心身の疾患にある場合、この福祉的なアプローチが不可欠となります。また、住人が六十五歳以上の高齢者である場合は、「高齢者支援課」や、より専門的な「地域包括支援センター」が相談先となります。保健師や社会福祉士といった専門家が、介護保険サービスの利用調整や、医療機関との連携、成年後見制度の紹介など、高齢者の生活を包括的にサポートしてくれます。どこに相談すれば良いか分からない場合は、まず役所の「総合案内」や「市民相談窓口」に電話をし、「ゴミ屋敷の件で相談したいのですが」と伝えれば、状況をヒアリングした上で、最も適切な部署につないでくれます。恐れる必要はありません。あなたの相談を、必ずどこかの窓口が受け止めてくれるはずです。
役所のどこに相談すればいい?ゴミ屋敷の担当窓口と役割分担