隣の空き家がゴミ屋敷にどこへ相談すればいい
静かだったお隣さんが亡くなり、家が空き家になって数年。最初は気にならなかった庭の雑草が腰の高さまで伸び、いつしか家の周りにはゴミ袋や粗大ゴミが不法投棄されるようになりました。窓ガラスは割れ、庭にはネズミが走り、夏場には得体の知れない悪臭が漂ってくる。台風が来れば屋根が飛んでこないか、冬場は放火されないかと、気の休まる日がありません。所有者に連絡を取りたくても、誰が相続したのかも分からない。このような「隣のゴミ屋敷空き家」問題は、今や日本のどこにでも起こりうる深刻な悩みです。直接注意しに行けば、思わぬトラブルに発展する可能性もあります。では、一体どこに相談すれば良いのでしょうか。最初の相談窓口として最も適切なのは、お住まいの市区町村の役所です。多くの自治体には、「空き家対策担当課」や「環境課」「建築指導課」といった専門の部署が設置されています。まずはそこに電話をし、隣の空き家の状況を具体的に伝えましょう。その際、住所や外観の特徴、どのような問題(悪臭、害虫、倒壊の危険など)で困っているのかを正確に伝えることが重要です。相談を受けた役所は、まず登記簿などで空き家の所有者を調査します。そして、所有者に対して、文書や電話で空き家の適正な管理を求める「助言」や「指導」を行ってくれます。多くの場合は、この行政からの連絡によって所有者が事態を認識し、改善に向けて動き出します。すぐに解決しない場合でも、粘り強く役所に状況を報告し続けることが大切です。一人で悩みを抱え込まず、行政という公的な力を頼ること。それが、平穏な日常を取り戻すための第一歩となるのです。