可愛い、本当に可愛い我が子。その寝顔を見ていると、胸が張り裂けそうなくらい愛おしいのに、ふと目線を上げると、視界に入るのは飲み終えたペットボトルや脱ぎっぱなしの服、お弁当の空き容器が散乱した部屋。このゴミの中で、私は天使のようなこの子を育てている。その事実に気づくたび、私は母親失格だと、自分を責める気持ちでいっぱいになりました。産前は、几帳面な方だったと思います。ベビーグッズを揃え、部屋を綺麗に飾り付け、完璧な母親になるんだと意気込んでいました。しかし、現実は想像を絶するものでした。眠れない。泣き止まない。自分の食事もトイレもままならない。夫は朝早くから夜遅くまで仕事で、頼れる人は誰もいませんでした。気づけば、家事は完全に滞り、部屋はあっという間に足の踏み場もなくなっていきました。それでも、せめて赤ちゃんの周りだけはと、ベビーベッドのシーツだけは毎日替えました。それが、母親としての私の最後のプライドでした。ある日、市の保健師さんが家庭訪問に来ることになりました。パニックになった私は、必死で玄関からベビーベッドまでの「道」だけを作りました。ドアを開けた瞬間、保健師さんの顔が少し曇ったのを、私は見逃しませんでした。案の定、部屋の様子を指摘され、私はついに堪えきれずに泣き崩れてしまいました。「ごめんなさい、ごめんなさい。母親失格なんです」。そう繰り返す私に、保健師さんは静かに「お母さん、一人で本当によく頑張りましたね」と言ってくれました。その一言が、私の固く閉ざした心を溶かしてくれました。怠慢なのではなく、疲弊しきっていただけなんだと。助けを求めていいんだと。その日を境に、私は地域の育児サポートを利用し始め、少しずつ部屋と心を取り戻していきました。もし、同じように苦しんでいるお母さんがいたら伝えたい。あなたは一人じゃない。助けて、と声を上げる勇気が、あなたと赤ちゃんを必ず救ってくれます。